業務用厨房施設における一酸化炭素中毒による
労働災害防止について

厚生労働省労働基準局安全衛生部 化学物質対策課長

 労働安全衛生行政の推進につきまして、平素よりご理解、ご協力をいただき厚くお礼申し上げます。
 最近、全国各地の業務用厨房施設において一酸化炭素中毒による労働災害が発生する事案が報告されております。
 つきましては、こうした労働災害を防止する観点から、下記の事項実施の徹底を図られたくお願い申し上げます。

  1. ガス燃焼機器使用中の換気の徹底
     ガス燃焼機器使用中は、十分な換気能力を有する換気扇等の換気設備の稼働による換気の徹底を図ること。
  2. 一酸化炭素警報装置の設置等
     一酸化炭素警報装置(CO警報センサー)を設置すること。警報装置が作動した場合は、状況に応じて、ガス燃焼機器の切断、換気または適切な避難措置等を行うこと。
  3. ガスの燃焼、換気状況についての定期点検及び補修
     ガスの燃焼状況、換気設備の稼働状況、給排気口の異物等の有無等についての定期点検及び必要な補修を実施すること。
  4. 一酸化炭素中毒防止にかかるマニュアルの整備と周知の徹底
     ガス燃焼機器使用に当たっての換気設備の作動手順、ガスの燃焼状況及び換気設備についての定期点検、一酸化炭素警報装置(CO警報センサー)作動時の対応等を記載したマニュアルを作成・整備し、関係労働者への周知と遵守の徹底を図ること。
  5. 安全衛生教育の実施
     関係労働者に対して、一酸化炭素中毒防止にかかる健康障害及びその予防措置に関する安全衛生教育を実施すること。
  6. 責任者の指名及び職務の遂行
     一酸化炭素中毒防止にかかる責任者を指名し、ガス燃焼機器使用中の換気設備の稼働による換気の実施、ガスの燃焼機器及び換気設備についての定期点検の確認等上記に掲げる職務を行わせること。

最近の業務用厨房施設における主な一酸化炭素中毒による災害事例(平成21年7月以降)

  1. 7月 被災労働者数 2名(休業)
     外食チェーン店において、調理作業を行っていたところ、調理機器の排気口に料理途中の食品が詰まったことによる不完全燃焼により、一酸化炭素中毒が発生した。
  2. 7月 被災労働者数 3名(不休)
     外食チェーン店において、調理作業を行っていたところ、排気ダクトが故障した状態で営業を続けていたことによる換気不足により、一酸化炭素中毒が発生した。
  3. 7月 被災労働者数 2名(死亡)
     小学校の給食室において、食器洗浄機の設置後点検のために、屋内に排気口があるガス給湯器を稼働させていたところ、換気設備を稼働させていなかったため、一酸化炭素中毒が発生した。
  4. 9月 被災労働者数 11名(休業4名、不休7名)
     パン屋において、前日に閉じた排気ダンパー(パン焼きオーブンから煙道に排出される排煙量を調節する板)を開けずにパン焼き作業を行っていたところ、換気されなかったため、一酸化炭素中毒が発生した。
  5. 10月 被災労働者数 4名(休業4名)
     外食チェーン店において、調理作業を行っていたところ、ガスフライヤーの経年劣化による不完全燃焼のため、一酸化炭素中毒が発生した。

トップへ

このホームページは、全国中小企業団体中央会より「平成19年度組合等Web構築支援事業」の助成を受けて作成しました。
Copyright © 広島県料理業生活衛生同業組合 東広島支部 All Rights Reserved.