春の風を感じながら、歴史ある造り酒屋、町おこしの舞台になっている蛍見橋を散策。寺院・神社めぐりもして足を伸ばしてみよう。ふと聞こえる時報塔からのサイレンに、いつもと違う「時」の経過を感じるかも。肥よくな大地を生かして農家が丹精込めた野菜、こだわりの創作料理は胃袋だけでなく心まで満たしてくれる。初めて来るのに、何故か懐かしく心をほっとさせてくれる町。それはきっと「ふるさとを愛する人々が町をつくっていくから」。あなたもそんな魅力がつまった志和町へ出かけてみよう。

時のシンボル 時報塔

 あわただしい毎日、足を止めてふっと時間について考えてみる。時間とはどんな人にも同様に与えられたもの。あなたは、時間をいつも大切にしている?

 切石積の基壇上に建つ高さ7・8mの時報塔 は、大正11年(1922年)に旧志和堀村が建設した鐘楼。地元では「覚醒(かくせい)の鐘(かね)」「鐘撞堂(かねつきどう)」とも呼ばれ親しまれている。

 四方にはそれぞれ「時ハ金」など碑文が彫ってある。現在もこの時報塔からはサイレンが鳴り響き、時を告げる塔として地元の人たちのシンボルにもなっている。

寺院・神社めぐりもオススメ

 志和町内には、寺院・神社が点在する。それらを巡って歴史・文化にふれてみるのもオススメ。 中でも有名なのが志和東の並滝寺。天平6年(733年)に、聖武天皇の勅願で草創、行基の開基と伝えられ、生城山城主・天野隆綱が寺田を施し、毛利氏も寺領300石を寄せたといわれている。

 このほど、市重要有形文化財の掛け軸「唐絵ねはん涅槃(ねはん)像」が300年ぶりに修復された。並滝寺近くには、本格的露天風呂と会席料理が楽しめる「並滝寺湖粋園」がある。鳥のさえずりに耳を澄まし、ゆっ たり気分で歴史・文化に触れてみよう。

 このほか、町内には目通り幹周囲約3・1m樹高約20mもあるクスノキが拝殿前にそびえる二宮神社(奥屋)、明治31年(1898年)に火災に遭いながらも再建した西蓮寺などがある。

志和町にもあった!!歴史漂う銘酒のふるさと

町内唯一の造り酒屋 千代乃春

 酒どころ東広島市の中でも、志和町で唯一酒造りを続けているのが千代 乃春酒造株式会社。寛延2年(1749年)の創業以来、257年にわたってひたすら品質の研鑽を続けてきた。

 6代目の竹尾吉郎取締 役社長は「仕込み水は、地下40mの深井戸からくみ上げた中硬水。酒造りをつらぬいてきた歴史を味わってほしい」と語る。

 時報塔から見る酒蔵は、周りの田園風景とも実にマッチしている。

自慢の純米吟醸「蛍舞」

 志和堀小学校や蛍見橋からほど近い千代乃春酒造自慢の純米吟醸「蛍舞」。

 蛍光塗料を使った蛍が描かれているラベルは、社員の皆さんひとつひとつ心を込めて筆をいれているそうで、灯りのない暗いところでラベルを見ると、まるでホタルが舞っているような光りが浮かび上がって見える。ラベルも個性的で目でも楽しめるお酒。

 ホタルまつりの販売でも大好評で、愛飲者は地元だけでなく、広島市内など県内各地にファンが広がっている。
純米吟醸「蛍舞」720ml 1,575円。

千代乃春酒造株式会社
 【住所】東広島市志和町志和堀3312
 【アクセス】山陽自動車道志和ICから車で約10分
 【電話】082−433−2727

田園風景が広がる自然の中で育ったネギは最高食材

土耕栽培のネギ(ハウス内)

 志和町を代表する農産物といったら何といってもネギ!県内有数の土耕ネギ産地で、ハウス・露地合わせて周年栽培されている。ネギづくりは20年以上前から始まり現在は、志和町野菜振興協議会ネギ部会のメンバー15人が約36tのネギを東広島・呉市場などに出荷している。

 しっかりした香りと味、そして日持ちのよさが土耕ネギの魅力だ。

収穫に励むネギ農家

 平成15年からネギ栽培を始めた志和町別府の黒河茂さん(54)。17年には5t余りを出荷した。「部会の先輩たちのアドバイスに支えられてがんばっています。温度管理や台風対策など課題は多いけど、おいしい志和のネギを多くの消費者に食べてほしいです」と意気込む。

健康に地元産のネギを

 志和のネギは、市内の大型スーパーなどで購入できる。袋を目印にお買い求めを。鮮度がよくて栄養価が高いのはやはり地元産。ネギ本来のピリッとした風味と香りをぜひ味わって!

みんなで守ろう 故郷の川

ホタルで町おこし 子どもと地域が一体に…

 志和町きってのふるさと自慢はここ志和堀のホタル。毎年6月の第一土曜に東広島市立志和堀小学校グラウンドを中心に開催されるホタルまつりは、今年で20回目を迎える。

 志和堀でホタルによる町おこしが始まったのは、同校が昭和61年に市教委からの「ホタルの里づくり」指定校を受けたことがきっかけ。まつりは翌年から始まり、学校と地域一体の取り組みが続く。当日、同校には町外からも大勢の人たちが訪れ、子どもたちがそれぞれのテーマにそって学習を進めてきたホタルの生態研究や新聞、図画などが展示される。地元のお年寄りたちがつくるホタルかごやホタルうどんも人気で、出店には長 蛇の列ができる。

 まつりの前後、地域を流れる半川には多くのホタルが幻想的な光りを放つ。ホタルが生息するには、環境美化が絶対条件。地元の人たちは、ふるさとの川をみんなで守ろうと環境づくりを欠かさない。半川の流域で、名所にもなっているのがこの蛍見橋。欄間はホタルが優雅に舞う様子がイメージされ、路面にも愛らしいホタルがデザインされている。

橋を行き交いホタルを散策

 蛍見橋から県道33号線を福富方面に約900m進むと「蛍恋橋」がある。橋の名称からも、地域の人たちから、いかにホタルが愛されているかがうかがえる。

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